キャリアコンサルタントとして心掛けていること

私がキャリアコンサルティングで大切にしていることは、「相談者を元気にさせる」ことです。相談者は何かしらの悩みを抱えて私に話しにこられます。もやもやした状態の相談者は、どことなく曇った重い表情をされています。相談内容はさまざまですが、話していくうちに少しずつ表情が和らいでいくのを感じます。最終的には、相談者の表情が明るくなり、次に一歩踏み出せる状態にすること、それがキャリアコンサルタントの役割だと思います。

そのために心掛けていることは「傾聴」と「質問」です。傾聴で大切なことは、「経験」を追体験してもらうことです。もやもやした感情が生み出された経験が相談者にはあります。相談者が語るストーリーを目の前の壁に映画のように投影し、あたかも二人でそれを鑑賞するイメージで話を聴きます。そうすることで、「感情の尻尾」がポロっと現れます。その尻尾をつかみ、丁寧に聴くことで、相談者の「感情」が引き出されます。

グループディスカッションの様子

また、「自分が何者か(自己概念)」に気付いてもらうために、相談者の内面に響く質問を意識しています。自分のことが分からなければ、どのようなキャリアを築いていいのかわかりません。しかし、自分のことを十分に理解している人は多くありません。それは自分で自分を深堀することが難しいからです。そこで、キャリアコンサルタントが内省を促す質問をするのです。質問に対し、相談者が「あぁ~~~」と声に出し、額に手を当てて思いに耽る姿は、いい質問ができたなと実感でき、キャリアコンサルタント冥利に尽きます。