大学生は何を経験すべきか

高校までの「学習」は一定のカリキュラムに基づき、学ばなければならないことを習得します。しかし、大学では「学修」と呼び、自分で学びたいことを選んで学ぶことができます。

大学は「本当に学びたいことを学べる場」です。どっぷりと学び浸ることができるのが大学時代なのです。ですから、大学生の本分は「学ぶこと」だと思っています。また、大学生は社会に出るための準備期間だとも言えます。社会という大海原に出る前に湾の中で航海の準備をしているような感じです。大学生には時間の余裕があります。その時間を有効に使って、さまざまな社会経験をしてほしいと思います。

「見聞を広めるために旅に出る」のもいいでしょう。視野が広がり、新たな価値観を得ることができます。旅の経験から自らのミッションが見つかる人もいます。「さまざまな年代の人とつながる」のも貴重な経験です。年代が異なる人との対話から考え方や価値観の違いを知ることができます。

「身の回りのことができるようになる」ことも大切です。大学生は子どもから大人への転換期です。口だけ一人前ではなく、自分の身の回りのことはひと通りできるようになり、親から自立しましょう。

大学は似た考え方や似た層の人たちの集団です。その中だけで生活していると、単一思考でしか物事が見えなくなります。クリティカルシンキング(複眼的思考)を身に付けるためにも、社会に飛び出し、さまざまな人と関わり、自分の殻を破って、一回りも二回りも成長してほしいと願います。