キャリアについて考えてこなかった過去の私

私が「キャリア」という言葉を意識したのは50代になってからだった。

それまでは「キャリア官僚」などという言葉は知っており、「できる人」というような朧気ながらの認識だった。恥ずかしながら、その程度だった。

校長試験を受験するにあたり、さまざまな教育施策について知識を得た。その時に「キャリア教育」という言葉に触れた。文科省は「キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義している。そこで初めて「キャリア発達」という言葉を目にした。

我々の世代、「終身雇用」が当たり前で、大卒で入社すれば、よっぽどのことがない限り定年まで働き続けることができた。まして公務員は役所や学校がつぶれることがないので、採用されれば、60歳まで働くことが約束された。

しかし、これからの時代はどうだろう?

会社はなくなることもあるし、外資に吸収合併されることもある。コロナで職を失った人もたくさんいる。

そして、定年延長、再雇用。

教員もこの流れにいる。60歳で定年を迎えた教員は、「再任用」という形で「学習支援」や「初任者指導」を行う。単年度更新で、65歳で梯子を外される。

特に、校長経験者の再任用は厄介である。教育委員会のポストが用意されている場合はいいが、そうでなければ学校現場で「一教員として」働くことになる。それができる人もいれば、できない人もいる。いつまでも校長風を吹かせる人もいるわけだ。

学校以外で働いてこなかった教員にとって、65歳以降に新たな環境の下で働くことは、非常に困難であることは自明の理だ。しかし、大学を卒業後、学校で働き続け、「自分のキャリア」を意識してこなかった教員にとって、自分で自分の「キャリア形成」を図ることはとても難しい。

さらに言うと、自分のキャリアが築けない教員が、「子どものキャリア発達」を促すことなどできるだろうか?

私は自ら道を外れ、キャリアコンサルタントの資格を学んだことで、キャリアについて考え、「自らキャリアを築くこと」の大切さを実感した。できることなら、この自分の体験を自分だけのものにせず、多くの人に伝えていきたい。

そして、全ての人が「たった一度の人生をよりよく生きてほしい」と願っている。

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