1964年生まれの教員へ

なぜ、私が「教員のセカンドキャリア」に関心があるのか。
私が元教員のキャリアコンサルタントであるから、という理由だけではない。
多くの教員が、退職後、悠々自適な生活を送るといいつつも、生きがいを失った姿を見てきたからである。40年近く教育に心血を注ぎ、子どもたちの成長に携わり、定年を迎えた後、その思い出に浸って余生を過ごしている先輩教員を見ることが多い。
人生の大きな山を1つ乗り越えることは素晴らしいことだと思う。しかし、人生100年自時代、退職した教員が新しい山を登ってもいいのではないかと思う。
いや、登ってほしいと強く願う。
学校で60歳は高齢に見えるが、一般社会では「元気なうちは働く」というシニアが多い。やりたいことを見付け、輝いているシニアもいる。教員の多くが、再任用で学習支援員や初任者指導教員など学校に残ることが多い。それも1つの選択であるが、せいぜい65歳までが限界である。
その先、どのようなキャリアを築くのだろうか…

子どもたちに生き様を見せる教員は、いつまでも子どもたちに誇れる背中を見せ続けてほしいと思う。
「先生には定年後にやりたいことがある」「学校を辞めた後の夢がある」と語れる教員でいてほしい。
やりたい気持ちさえ、いつからでも、何にでもなれる。
自分のリミッターを外せば、「あんなことがやりたい」という心の声が聞こえてくるはずだ。
53歳で教員を辞めた私だから、学校を辞めてからも生きていける道の拓き方を伝えられる。
道なき道を歩んで、ここまでやってこられた私だから、教員のセカンドキャリアを語れる自信がある。
小学校教員として勤めた31年間は楽しかった。
でも、本当にやりたいことをして働いている今がそれ以上に楽しい。
それは、私自身が「自分の人生の経営者」だからである。

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