【第 1 回】
~人生のハンドルを自分に取り戻す「3つの問い」~
キャリアコンサルタントとして定年を控えた50代の方々と面談をしていると、多くの方が「漠然とした不安」を口にされます。
「会社というレールがなくなるのが怖い」
「これからどう過ごせばいいのかわからない」
しかし、私はこうお伝えしています。
定年は「終わりの日」ではありません。これまでの人生を振り返り、自らの足で歩き出す「再始動の日」です。

「人生の台本」を自分で書き直す
就社という考え方が当たり前だった時代を生きてきた50代の方は、自分でキャリアを築くのではなく、キャリアを会社に委ねてきました。
いつの間にか「人生のハンドル」を会社に預けっぱなしにしていなかったでしょうか。
60歳以降の人生に正解はありません。ここからは、あなたが「人生の主役」です。どこへ向かい、何をするか。その決定権を自分の手に取り戻すことから、本当のセカンドキャリアが始まります。
「人生の主役」として再始動するために、まずは自分自身にこの「3つの問い」を投げかけてみてください。
再始動のための「3つの問い」
1.あなたにとって、「働く意味」は何ですか?
お金のため、社会との繋がり、あるいは自己の充実でしょうか。
世間体や会社の慣習を抜きにして、今のあなたが「何のために働くのか」という土台をはっきりさせましょう。
「 生活のために、この5年間は今の会社で稼ぐ」と決めるのも立派な決断です。主役として目的を自覚することで、日々の仕事に納得感が生まれます。
2.主役として歩き出すために、何を「手放す」ことができますか?
新しいステージへ進むためには、身軽になる必要があります。過去の役職、プライド、会社への依存心……、これまでの自分を支えていた
「重い荷物」のうち、これからのあなたに不要なものは何でしょうか。
それらを一度整理し、置いていく決断をすることで、初めて新しい一歩が軽やかになります。
3.残された貴重な時間を、何に「費やしたい」ですか?
私たちの命とは、すなわち「時間」そのものです。人生の豊かさは、限られた時間をどのような経験に費やしたかで決まります。
二度と戻らないその大切な時間を、今の組織でのさらなる貢献に費やすのか、それとも新しい挑戦や、大切な人との思い出作りに費やすのか。
「自分の命(時間)を、何のために使い切りたいか」を自分で選ぶこと。それが主役としての最大の決断です。
「たった一度の人生」をよりよく生きるために「再雇用」を選んで今の会社に残る道も、「独立」して外の世界へ飛び出す道も、
あるいは「リタイア」して別の生き方を探す道も、どれも素晴らしい選択肢です。
大切なのは、どの道を選んだとしても、あなたが「自分の人生の主役」として、納得してその道を選び取ることです。その積み重ねの先に、「いい人生だった」と心から思える最高の幕引きが待っています。
あなたは今、自分の「真っ白なノート」に、どんな未来を書き込みますか。
次回の「60歳からの再始動」は、
【第 2 回】〜再雇用という選択〜
もし、あなたが迷った末に「再雇用として今の会社に残る」という投資先を選んだのであれば、そこには新しい「プロとしての作法」が求められます。
次回は、再雇用の道を正解にするための「組織の推進力になるという覚悟」についてお話しします。


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