教員のセカンドキャリアの伴走者 Vol.3

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憧れの S 先生へ

私の小学校時代の恩師に S 先生という方がいらっしゃる。

型破りの先生でしたが、生徒から愛される先生だった。

一人ひとりの良いところを見つけて、そこを伸ばしてくれる先生だった。

当時、私は体が細くて運動神経が鈍く

それでいて口だけ達者な子どもだった。

ある日の休み時間、

S 先生と相撲を取って遊んでいた。

誰もが先生には叶うことがなく、投げ飛ばされていた。

ひょろひょろの私はS先生に持ち抱えられながら

地面に下ろされた。

そのとき、私の体より先に

S先生の手が先についてしまった。

S先生はみんなに向かって

「 先生の手が先に着いたから、工忠の勝ちだな !  」

とおっしゃった。

たかがそれだけのこと。

それでも、私は嬉しかった。

教師を目指そうと思ったとき

頭に浮かぶのは S 先生のことだけだった。

そんな S 先生も70歳半ば

すっかりお年を召して…….

ということはなく、グリークラブの指揮者として

ステージ上でパワフルにタクトを振っておられた。

グリークラブでの定期演奏会で指揮をする S 先生

同級生でその圧巻の姿を見て

「 S 先生はいつまでも S 先生だよな」

と誰もが口に出した。

「 教師の生き様を見せる 」

まさに、これだ!と確信した。

私もいつまでも輝いて、教え子に生き様を見せられる人でいよう!

そして

私が知っている先生方も

いつまでも輝く姿を見せてほしいと願う。



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