憧れの S 先生へ
私の小学校時代の恩師に S 先生という方がいらっしゃる。
型破りの先生でしたが、生徒から愛される先生だった。
一人ひとりの良いところを見つけて、そこを伸ばしてくれる先生だった。
当時、私は体が細くて運動神経が鈍く
それでいて口だけ達者な子どもだった。
ある日の休み時間、
S 先生と相撲を取って遊んでいた。
誰もが先生には叶うことがなく、投げ飛ばされていた。
ひょろひょろの私はS先生に持ち抱えられながら
地面に下ろされた。
そのとき、私の体より先に
S先生の手が先についてしまった。
S先生はみんなに向かって
「 先生の手が先に着いたから、工忠の勝ちだな ! 」
とおっしゃった。
たかがそれだけのこと。
それでも、私は嬉しかった。
教師を目指そうと思ったとき
頭に浮かぶのは S 先生のことだけだった。
そんな S 先生も70歳半ば
すっかりお年を召して…….
ということはなく、グリークラブの指揮者として
ステージ上でパワフルにタクトを振っておられた。
同級生でその圧巻の姿を見て
「 S 先生はいつまでも S 先生だよな」
と誰もが口に出した。
「 教師の生き様を見せる 」
まさに、これだ!と確信した。
私もいつまでも輝いて、教え子に生き様を見せられる人でいよう!
そして
私が知っている先生方も
いつまでも輝く姿を見せてほしいと願う。
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