
シニアには大きく2つの壁があります。1つ目の壁が「55歳の壁」です。
全ての業種・職種で導入されているわけではありませんが、「役職定年制度」というものがあります。
部長や課長などの役職者が、ある一定年齢を超えるとその役職から外される制度です。
すべての企業で採用されてはいませんが、人事院の報告によると、従業員500人以上の企業 で、約3割が導入しています。
企業にもよりますが、55歳前後を役職定年とするところが多いようです。企業側のメリットとして「人件費の削減」「組織の活性化」「若手の育成」などが考えられます。
役職定年を迎えたあとのポストはさまざまで、同格の専門職、格下のライン職などが挙げられます。
役職定年のデメリットとして挙げられるものとして、以下の3つがあります。
①給与が下がる
「基本給」「賞与」「管理職手当」などで減額を受け、元の年収より2割程度少なくなることが多いといわれています。
②やりがいが下がる
給与が下がることや役職がなくなることから、仕事に対するモチベーションが下がる人も多くいます。
「1日何十通と来ていた社内メールが全く来なくなった」「会議に呼ばれることがなくなった」「決裁権限がなくなった」ことでやりがいをなくしてしまう人も多いです。
また、給与が下がっても仕事内容は以前と大きく変わらないこともあり、企業に対する不満を抱える人も少なくありません。
③新たな環境でストレスを抱える
役職定年を迎えても同じ部署に残る場合、かつて部下だった人が上司になるため、お互いやりづらさを感じてしまい、心の負担にもつながります。
また、全く新しい職場に異動となる場合も、今までの知識や経験が活かせず、一から勉強し直さなければなりません。
50代になってから新しい職場環境で再スタートをしなければならないことに、不安を感じる人も多いようです。
役職定年という転機を乗り越えるためには、事前に自分がどう働くことになるのかをイメージすることが大切です。
今から役職定年のことを考えたくないという人もいるかもしれませんが、「事前準備」をしておくことで、ネガティブな考えをポジティブに変えやすくなります。
これはいずれ迎える定年という大きな転機を乗り越える予行練習にもなるでしょう。
また、給料が減ることで、家計にも影響します。ローンの返済や支出の見直しなど、パートナーとしっかり話し合うことも大切です。

「55歳の壁」を乗り越えるためには、ご自身のキャリアプランを見直し、役職定年以降の働き方を今一度考えることが重要です。
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