その大学、行く必要ありますか?

高校3年の2学期は、就職か進学か、人生の大きな選択を迫られる時期です。
 進学校といわれる高校の生徒は1月の一般入試に向けて勉強に励んでいます。
 一方、近年は教育困難校といわれる偏差値30~40の高校生の6割以上が、大学・短大・専門学校に進学するのが現実です。

 その多くが、指定校推薦といわれる方式で、大学から枠をもらい、その枠を校内選考で割り振って進学先を決めます。指定校推薦の入試は、面接と作文程度で学力試験はほとんどありません。

この背景には私立大学数の増加があります。
 1990年に372校だった私立大学が、2020年には過去最大の615校に増えています。
 一方、人口減少で生徒数が減っているので、定員割れをする大学も出てくるわけです。経営難に落ち込む大学は入学者を増やさなくてはなりません。
 そこで、ボーダーフリーで「Fラン大学」と呼ばれる大学は、高校に指定校枠を与えるのです。かつてほとんどが就職していた教育困難校にも指定校枠があり、「大学進学」をうたっているのです。

指定校枠といってもお金はかかります。
 私立大学の初年度納入金は134万円です。奨学金でまかなう場合もありますが、親が払うケースが多いです。親はまとまったお金が必要になります。

 しかし、そもそも教育困難校に通う高校生は「勉強が嫌い」です。専門性を高める大学に行って通用するわけがありません。

・履修登録ができない
・教室内で授業が成立しない
・オンライン授業の参加の仕方が分からない
・課題やレポートの提出ができない

 こういった状況が散見されます。その結果、1年前期でドロップアウトする学生もいます。

 なんとか4年で単位をとって卒業する学生にも大きな壁があります。

就職活動です。就職活動が始まる3年生になっても活動を始めないのがFラン大学の学生です。

【Fラン大学の就職事情】

・学歴フィルターでESが通らない
・適性検査で点数が取れない
・学内企業説明会に企業が集まらない
・就職情報が得られない
・ようやく受かった会社も合わないから早期退職する
・結局フリーター

 全ての大学生のことを言っているのではありません。努力してしっかり働いておられる方ももちろんいらっしゃいます。
 しかし、このような道を歩みがちということは知っていてほしいです。

大学は将来に活かすための専門的な学びの場です。
それなのに、何も得ず、4年で460万かかって、得られるものは「学士」という称号だけというのはもったいないことです。

高卒就職で早めに社会に出て働くというのも選択の1つではないでしょうか。

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