
再び、大学の話をします。
私は某大学で1年生の必修数学を担当しています。担当している3クラスに10名程度は「履修できない学生」がいます。
また、別の大学では入学時のオリエンテーション科目を担当しています。ここでも「全く出席しない学生」が一定数います。
《学生の現状として》
◯履修登録ができない
◯テキストが購入できない
◯ZOOMがわからない
◯課題を提出できない
◯メールを見ない
このような状況から、「どうやって授業を受ければいいのか分からず大学に行けなくなる学生」がいます。そして、1年で退学してしまいます。学生が思い描いていた「大学生活」はどんなものだったのでしょうか?
以前も書きましたが、偏差値30台の学校でも、大学への進学を勧めます。学ぶ機会を与えることはよいことだと思います。しかし、「大学で学べるだけの基礎学力」を身に付けて進学させているでしょうか?
《偏差値30台の高校の現状》
◯授業はあまり成立していない
◯教科書は教室のロッカーに置いて帰り、手ぶらで登下校(置き勉)
◯テスト前には「テストに酷似している練習問題」が渡される
◯赤点を取らなければいいテスト対策
◯テストの点が悪くても平常点でゲタをはかせる
◯オンライン授業はほぼ導入していない
高校でオンライン授業をやってきたか否かは、偏差値と比例していると感じています。実施しない理由はさまざまでしょうが、大学に進学したら、各自がPCを持って、ZOOMで授業を受けるのです。それができるようにして進学させなければ、泳ぎ方を教えないで海に放り込むようなものです。
高校もブランディングがあるので、「大学に進学できる」ことを売りにしたいのはわかります。だから、大学からの指定校枠を活用するのでしょう。しかし、自校の生徒が大学で本当に学べるのかを見極めて推薦をしてほしいと願います。やみくもに大学に入れることがないよう、そして中退していないかの調査も継続して行ってほしいと思います。

学生一人ひとりに真剣に向き合い、「自分らしく生きる」ことができる道を一緒に考え、背中をそっと押す。それが本来の高校の進路指導の在り方なのではないでしょうか。
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